位置合わせ

Q. 位置合わせパネルのチェック機能とは何か

複数のスキャンを位置合わせ(合成)した際の、一致度合いを評価する機能です。

弊社独自の指標に基づいて合成精度を数値で確認することができます。 自動・手動位置合わせ、全体フィットを行った後にチェック機能を用いて位置合わせの精度を確認します。

点群は、1点1点の位置精度は1~2mm程度ですが、その集合体である点群を複数合成することで、累計の誤差が10mm以上となることがあります。 InfiPointsでは、点群間で共通している要素がどの程度一致しているかを指標として、合成後の点群誤差を確認することができます。 具体的には、点群スキャンどうしで共通して撮影されている構造物(床面や壁面)やターゲットを用いて誤差の確認を行います。

チェック機能による精度確認は、点群をエンジニアリング用途で利用する際に非常に重要です。

プロモーション利用など、精度をあまり重視しない業務においては参考情報として参照ください。  

合成精度の目標値に関しては、「抽出平面を用いて評価する」を選択してチェックを実行する場合であれば、推定最大値が目安になります。 推定最大値は、評価対象となる点全体のうち5%をノイズとみなし、残りの95%の点の中で最も誤差の大きな箇所の誤差値を表しています。

中央値は、評価対象となる点全体の50%が収まる誤差の数値を表しています。 屋内であれば推定最大値5mm以内、屋外であれば推定最大値10mmとなるよう合成することを推奨しています。 詳細は関連資料をご参照ください。  


目安以上の誤差が出ている場合は以下をご確認ください。

・「抽出平面間の誤差を確認」で誤差分布を確認する

A:誤差が特定の場所に偏っている場合

スキャン間でZ軸方向がずれている可能性があります。

全体フィットの「振れ幅制限」を大きく(最大でも5度程度までを推奨)して再実行をお試しください。

B:誤差が均一かつ大半の誤差は小さな値(デフォルトの誤差表示色グレー)の場合

ノイズを推定最大値としてみなしている可能性があります。 誤差分布表示でノイズと思われる部分以外に大きな誤差がなければ、位置合わせ自体は正しく行われていると考えられます。 位置合わせは完了としてください。

・Topパネルでスキャン間の誤差を確認する

C:特定のスキャンと隣接するスキャンとの間で誤差が生じている場合

特定のスキャンについて精度よく位置合わせが出来ていない可能性があります。 この場合は、その他のデータをロックして、特定のスキャンのみについて再度手動位置合わせ、フィットを行う事が有効です。  


上記方法でも誤差の原因を特定できず精度値が目安に収まらない場合、念のため、計測方法による問題がないかもご確認ください。 合成処理を正しく行っても、以下のような要因により誤差を解消できないケースがございます。

  • スキャナからの距離による誤差
  • 入射角による誤差
  • ターゲットの配置の偏りによる誤差
  • 計測中のターゲットの位置ずれ
  • 計測中のスキャナの揺れ

上記についてご不明な点やチェック機能の詳細については、関連資料を参照ください。


Q. 位置合わせの方法を知りたい

基本操作手順書および操作動画をご参照ください。

基本操作手順書

[ヘルプ] タブ > [基本操作手順書] > [Vol.1 データ読み込み/前処理編] > [4.位置合わせ]

操作動画

以下のコースに位置合わせに関する動画があります。


Q. 建物の向きにX軸Y軸を合わせたい

原点指定コマンドで調整することができます。

詳細は基本操作手順書をご参照ください。

[ヘルプ] タブ > [基本操作手順書] > [Vol.1 データ読み込み/前処理編]

  • 「4.9.原点を指定する」


Q. Topパネルに表示される点群の向きを調整したい

Topパネルでは横軸をX軸、縦軸をY軸として点群を表示しています。

X軸及びY軸は、原点指定コマンドで調整することができます。


Q. 自動位置合わせができない

位置合わせを開始するグループを正しく選択できていない可能性があります。

位置合わせ中、位置合わせ対象のグループはツリーパネルでペンのマークが付きます。

位置合わせ対象グループ内に位置合わせをしたいショットがすべて入っているかご確認ください。


Q. 1階と2階のデータ等別々に位置合わせしたプロジェクトデータを統合して位置合わせしたい

別々に位置合わせを行ったプロジェクトをそれぞれ、A、Bとし、以下にプロジェクト同士の位置合わせの手順を記載します。

手順

  1. AのプロジェクトをInfiPointsで開き、”プロジェクトのインポート”にてBをインポートする
  2. 構造ツリーにて、AおよびBの親グループが共通になるように調整する
    • 全体
       └スキャン点群
         │
         ├グループA
         │  └プロジェクトAの各点群
         │
         └グループB
            └プロジェクトBの各点群
  3. グループAとBを手動で位置合わせする
  4. 位置合わせの対象グループを”スキャン点群”とし、全体フィットを行う。
    ※全体フィットの確認ダイアログにあ、”サブグループ内も位置合わせする”のチェックは外す
    (既に各プロジェクトにて位置合わせ済のため)


Q. 全体フィットで位置がずれてしまう点群はどのように位置合わせすればよいか

全体フィットでは点群の持つ特徴形状を基準に、付近の点群同士で適切に位置が合うように処理を行っています。

手動である程度位置を合わせた状態で全体フィットをしても、位置がずれるのであれば下記いずれかをお試しください。

ターゲットを作成して全体フィットを再度実行する

スキャン間で共通して撮影されているポイントにターゲット(目印)を作成することで、全体フィット時にスキャン間で共通しているターゲット部分が一定値以上ずれるのを抑止できます。 ターゲットはスキャンごとに作成する必要があります。 ターゲットの作成方法については、基本操作手順書Vol.1の「4.7.1. ターゲット (内部参照点) を抽出する」を参照ください。

参照点を作成してグループの位置合わせを実行する

位置が合っているショットを1つのグループにまとめ、位置がずれるショットをそれぞれ別のグループにまとめます。

各グループ間で共有する参照点を作成し、グループの位置合わせ機能を利用して位置を合わせます。その後全体フィットする必要はありません。 


Q. 位置合わせの際、全体フィットは行うべきか

はい。自動位置合わせ(Auto)は隣り合う個々の点群同士の位置を合わせる処理です。

それに対して全体フィットは点群全体の位置を合わせていく処理で、位置合わせの精度を高める効果があります。

そのため全体フィットは基本的に実施していただくことを推奨しています。

位置合わせの精度については、「Q. 位置合わせパネルのチェック機能とは何か」をご参照ください。


Q. Topパネルに移動ハンドルが表示されない

主な原因として以下の2点が考えられます。  

  • 位置合わせが開始されていない。[データ準備] タブ > [位置合わせ] > [位置合わせ開始] を選択して、位置合わせを開始してください。
  • 位置合わせ対象として指定したグループ(※)内のグループまたはスキャンを選択していない。
    ※ツリーパネル(構造タブ)のフォルダアイコン上にペンのマークが表示されているグループです。 なおグループが選択されている場合でも、位置合わせ対象のグループ自体(選択した一番上)に対してはハンドルが表示されません。 いずれのスキャンを選択してもハンドルが表示されない場合は、Topパネルの設定(歯車マーク)ボタンより、移動ハンドル表示がOFFになっていないかご確認ください。


Q. 位置合わせ(合成)精度の結果をファイルに出力することはできますか

レポート出力機能にて位置合わせ結果をXMLファイルで出力することができます。

[位置合わせ] パネル > [チェック] タブ > [レポート出力]

出力される情報は下記のとおりです。

  • 全体画像
  • スキャンごとの評価結果
  • 外部座標
  • ターゲット
  • 2スキャン間の「ターゲット間の離れ」
  • ターゲットと外部座標との離れ
  • ターゲット間の離れ
  • スキャンペアごとの評価結果(平面)

Q. 点群の鉛直方向を保持したまま位置合わせするにはどうしたらよいですか

自動位置合わせでは、常に実行直前の鉛直方向を保持して合成を行います。

全体フィットでは、Z軸方向の制限の設定で [計測時の鉛直方向に合わせる] にチェックを入れることで、鉛直方向を保持して合成することができます。


Q. 整合度とは何ですか

整合度は、スキャン(点群)同士が正しい面同士で合成されているかを確認するための指標です。

例えば、四角い部屋のスキャン同士が90度回転した状態で異なる面同士で合成されているときに数値が低くなります。

整合度の目安は75%で、それ以下の場合は赤くハイライトされます。

ハイライトされる場合は、目視で当該スキャンが異なる位置に配置されていないかご確認ください。

一方、整合度が100%に近いほど合成のズレが少ないというわけではありません。

点群同士のわずかなズレを確認する指標は、中央値・推定最大値となります。

整合性(全く異なる位置で合成されていないか)を整合度で確認した後で、中央値・推定最大値にて細かなズレの確認を行ってください。